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マリーが可愛すぎてもう… -- 名無しさん (2013-10-13 22 28 16) 後付の追加キャラをよくぞここまで違和感なく物語の核心へ当てはめたものだ。スタッフすげえ。 -- 名無しさん (2013-10-13 23 20 28) ニャルラトホテプがいるだろうペルソナの世界では、また妙なことの接合点に使われそうで少し怖いな・・・ -- 名無しさん (2013-10-14 00 57 58) ペルソナ5でベルベットルーム住人で出てくる…訳ないか -- 名無しさん (2013-12-19 16 00 19) あの強制ポエム飛ばせないのかな。最初は笑ってすむんだが、段々と鬱陶しく感じてくんだよな -- 名無しさん (2013-12-19 16 58 27) ベルベットルームでのポエムは痛い子だなーって思いながら聞き流していいよ。虚ろの森でまた違った印象を受けるだろうから -- 名無しさん (2013-12-19 20 33 24) 「ばかきらいさいてー」が可愛い。一週目の嫁だったわ。 -- 名無しさん (2014-02-22 03 34 05) 番長マジでモテるよな でも分かる気がする いわゆる没個性キャラ(という設定)なのに奇妙に惹かれるところがあるのだ -- 名無しさん (2014-02-22 06 10 54) 菜々子と並んでヒロインとして美味しいキャラ -- 名無しさん (2014-03-02 02 30 39) アニメであのポエムが爆発するのか… -- 名無しさん (2014-05-04 18 06 24) アニメでは出番が増えるだろうな PV見て確信した まぁ好きだから大歓迎な訳だが -- 名無しさん (2014-05-04 21 00 42) アニメどうすんだろね。マリー部分以外はほぼP4Aと流れ一緒だし -- 名無しさん (2014-05-04 22 21 34) 見た目が好きだからなんとかカグヤの弱点や味オ強めのスキルを粘り頑張って付けたのは良い思い出 -- 名無しさん (2014-06-14 14 42 02) 山手線罰ゲームで本人の知らないところでディスられまくっててワロタ -- 名無しさん (2014-06-27 14 17 36) ガソスタ店員の方のイザナミの存在意義ェ… -- 名無しさん (2014-07-04 00 35 45) アニメで真EDルートが放送しなきゃいけないわけだが編集して入れるのかな -- 名無しさん (2014-07-04 00 48 00) PQではいたるところで公開処刑(パトスの叫びを音読)をくらってるお方 -- 名無しさん (2014-07-04 01 04 12) ↑P4GAでは自分から披露してくれたぞ。 そして番長の真顔である。 -- 名無しさん (2014-07-13 12 14 20) 何故かハイカラまでサイテー呼ばわりされてしまった… -- 名無しさん (2014-07-13 12 46 44) P4U2出演決定!ポエムが楽しみです。 -- 名無しさん (2014-07-17 09 37 32) ということは、P4Gのほうでは、「イザナミが分離」→「イザナミがガソリン店員に化けて+マリーがスパイして、人々の望みを探る」→「都合のいいことしか見えない世界が望みか! よしそうしよう」って流れになるのかな。 -- 名無しさん (2014-07-17 12 03 46) 1話から早速ポエム音読したのは笑ったwwwwwwそして番長の真顔である。 -- 名無しさん (2014-07-17 21 31 16) 今週マリーに萌えた -- 名無しさん (2014-07-19 02 22 02) P4U2でマリーって出していいの?時系列的に居なくなってる頃じゃないの? -- 名無しさん (2014-07-19 13 17 03) ↑いや、普通にいるよ。 前までの「マリー」ではなく本来の力を取り戻した感じ。 後、番長への愛を公共の電波で流すほどの番長LOVE。 -- 名無しさん (2014-07-19 13 57 55) ↑×2 確かにED後に姿を消すけど、春から天気予報士として働いているから、P4U2の頃はちょうど再会するか再会した後らへんになる -- 名無しさん (2014-07-20 08 30 04) あらそうなの?イマイチP4U2の時系列を理解してなかった。サンクス -- 名無しさん (2014-07-20 15 20 40) ポエムばっかり注目されてるけど、予告にしれっと紛れてたマリーが紛れてる。ゲーム内では見られなかった水着姿で。 -- 名無しさん (2014-07-20 15 32 03) そしてカグヤで参戦である -- 名無しさん (2014-07-23 10 48 12) EDのマリーさんの裸体がエロすぎてループ必須だわ -- 名無しさん (2014-07-26 13 53 25) パトスレコーダーとかやめたげてよぉ!! -- 名無しさん (2014-08-08 20 26 23) P4G未プレイでP4GA見てるんだけど、彼女ってこんなに出番多いの?なんか少々優遇されすぎに見えるのは気のせいだろうか… -- 名無しさん (2014-08-14 20 34 49) P4Gの追加要素をやってるんだからマリー中心になるのは当たり前。 -- 名無しさん (2014-08-14 20 38 11) というか明日足立コミュ回だから共犯者ENDにならないか不安 -- 名無しさん (2014-08-14 20 45 22) ↑ 流石に共犯者エンドはないだろ… あるとしても、ギリギリで決心して告発すると予想。 ↑3 仲間とのイベントには本来絡んでない。 P4GAのメインヒロインはマリーだからその影響で出番が増えてるだけ。 個人的にはこれくらい絡んでくれた方が、追加ダンジョンでのイベントのアクセントにもなる。 -- 名無しさん (2014-08-14 20 48 10) 原作だと仲間達とマリーは顔見知り程度なんだよね。直斗なんて仲間になる前にマリーコミュMAXに出来るし。でも接点が無いと追加イベントで違和感感じるからアニメで出番増えたんだと思う -- 名無しさん (2014-08-14 20 59 47) ざーさん歌うまくなったな→ざーさんじゃねーじゃねーか! ニコニコでのこの流れにいつも草生えるw -- 名無しさん (2014-08-24 22 55 27) さらばマリー… -- 名無しさん (2014-08-30 17 26 47) P4U2追加キャラでは現時点では一番厳しい性能かもしれん。まぁ研究進めばわからんけど。 -- 名無しさん (2014-09-16 13 28 46) 結局、イザナミはマリーの影的なもんだったんかな? そのうちペルソナとして使ったりして。 -- 名無しさん (2014-09-20 00 20 53) ↑影つか半身。ただし力のほとんどを持ってってる形。 -- 名無し (2014-09-20 00 51 54) 力の関係だけ見ると魔人ブウのデブとガリの関係にそっくりだな -- 名無しさん (2014-09-20 00 56 15) が~んばってねっと ってあんなぶりっ子ポーズだったんだ… -- 名無しさん (2014-09-28 12 48 10) 最終回がバージンロードで草不可避 -- 名無しさん (2014-10-11 23 09 54) P4U2の没データに、シャドウマリーがあったらしい。 -- 名無しさん (2015-07-12 06 54 49) P4Gの温泉ムービーのマリー見てて改めて巨乳だと思ったけど直斗とマリーどっちが大きいかな -- 名無しさん (2016-06-28 19 52 18) 61.21.8.182が無断でコメント全消ししてたので復元しました -- 名無しさん (2016-09-13 08 01 11) 誤って消してしまいましたすいません -- 名無しさん (2016-09-13 08 17 31) ダンスのときのダブルピースクソかわいい、プレイ中は見てる暇なんてないけどな! -- 名無しさん (2016-10-05 20 58 34) アニメ版のポエム見てみたけど、そんなにイタイとは思わないけどなぁ。 -- 名無しさん (2016-10-13 13 37 11) さらにいうと、それ以上に、マリーの慌てぶりが笑えるww -- 名無しさん (2016-10-13 18 01 42) 普段だんまりなマリーがポエムの時はノリノリなのがミソ -- 名無しさん (2016-10-22 13 37 55) アニメDVD売ってありませんか? -- 名無しさん (2016-11-07 10 11 47) P5でカグヤ使うとジョーカーが異常なハイテンションで笑う。スキル取得時のセリフまでノリノリという力の入れ具合。 -- 名無しさん (2016-11-07 23 48 46) 2014年か。 当時見てたよ、新巻鮭のあたりから消えたのでしょ -- 名無しさん (2017-02-07 20 10 15) 「マリー」としては良くて数年程度の意識しかないであろうこの子を「自己中」とか「ワガママ」と言うのはちょっと違うんじゃないかなと思う。言ってしまうと本編や本編中時間軸の派生だと正に自我会得中の子供なのよな。 -- 名無しさん (2020-01-23 22 20 51) ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2023-08-17 12 59 10) ログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-08-25 20 53 11
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前ページ次ページゼロのペルソナ リコード 虚無魔法“記録”から目覚めたとき、誰も喋ることができなかった。 時はジョゼフがトリステインに火石を落とし、それがルイズのディスペルによって打ち消された後。 場所はトリステインの王城のある一室。 そこに集まっていたのは王女アンリエッタ、枢機卿マザリーニ、ガリア新王を称するタバサ、ルイズとキュルケ、彼女らの使い魔陽介、完二、クマ、そしてイザベラもいた。 9人はリコードにより、トリスタニアを襲撃したヴァリヤーグの槍の記憶を見た。 人間が恐れたやまないエルフたちを次々と餌食にしていく嘘のような、そして凄惨な光景。 エルフたちを襲う光景の中にはルイズをさらおうとした巨大な火竜と、王都を襲った巨大な金属ゴーレムの姿もあった。 しかもそれらは1体ではない。数十、もしかしたら数百かそれ以上の数がいたのだ。 それから銀色の鏡のようなものを通りジョゼフの使い魔となったことも知る。 「おめーらが今、リコードで見たバケモノどもがブリミルの力なのさ。ブルミルはむかしその力で人間の住む世界を統一した」 部屋の中にいる9人のどの人間のものでもない声が響く。 それは完二の背中にある剣から発せられている。 デルフリンガーは前回、王女たちとの話し合いの場に武器は持ち込めないために参加できなかったが、本人たっての希望で参加している。 自分はブリミルに作られた剣だと言って。 「ゴーレムみたいなのはヨルムンガンド、亜人をヴァリヤーグ、それに巨大種の火竜。それぞれをブリミルはガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴと呼んだもんさ。つってもブリミルにみんなまとめてエルフたちの住む土地の東に行かされたけどな」 話を聞いていた中で、比較的落ち着きを取り戻していたタバサは尋ねる。 「どうしてそんなことを?」 「そりゃ、オメエ、ブリミルが死んでコントロールを失った使い魔たちが人間を襲わねえようにするためさ。だから使い魔たちの住む場所を、人間の住む国より東にあるエルフの土地の更に東に置いた。そうしとけばエルフたちが壁になってくれっだろ」 それはこの世界で生きてきた人間にとっては衝撃的なことであった。今の今まで恐るべき、そして憎むべき敵とも思い、実際に何度も戦火を交えてきたエルフたちは人間を怪物から守ってくれていたのであった。エルフたちは自衛のために戦ってきただけだとしても。 「つってもエルフたちも限界なんだろうな。ジョゼフがエルフと繋がってるみてえだが、エルフが虚無の担い手と接触するって言うならまず使い魔たちをどこか別の場所にやってもらおうっていう魂胆なんだろうよ」 今までの話からジョゼフが虚無の担い手であると推察はできたものの、初めて明言されたアンリエッタとマザリーニも戸惑う。もっともそれ以外の、ルイズを除く全員はそのことについてちゃんと話を聞いていなかったのだが。 「ジョゼフ王は虚無の継承者なのですか……?」 「ま、たぶんまちがいねーだろ。それより俺はどこか別の場所にやってもらおうって部分に驚いて欲しかったんだけどな」 「どこか別の場所……。まさか我々の国々にですか!?」 思案したのちに思いついたアンリエッタの言葉が響くとともに緊張が走る。 もしあれだけの怪物が人間たちの世界に放たれればどのような惨事になるか想像もできない。 何せ一人で人間10人以上の戦力になるといわれるエルフたちが一方的な虐殺を受けるほどのバケモノだ。 たとえ全ての国の軍事力が結集しても勝てるかどうかわからない。 「そうだろうな」 「ですが使い魔を呼び出せるのは一人一体のはずでは?」 マザリーニの質問は魔法使いにとっての常識中の常識である。たとえ命令することが出来ても呼び出せないならば意味はない。 「正当な虚無の使い手なら特別に3体、一種につき一体呼べんだけどな……。 ま、それでも足りねーよな。 しっかしそこはさすがブリミルというか、自身の力を引き継ぐ者が現れたときにちゃんと使い魔を呼び出せるように大規模な召喚のゲートを開ける場所を用意してんのさ」 「ど、どこなのよ?」 イザベラは焦りから身を乗り出す。先に抑えることが出来れば使い魔の軍団を呼び出すことはできないはず。 「聖地だ」 聖地とはブリミル教にとってもっとも重要な土地とされる場所である。それは果たして使い魔の召喚の場所であったのだ。 この世界で育った人間たちには常識が壊れていくような音が聞こえた。 「つっても場所は、人間とエルフの住む国境近くにあるって以外俺も知らねーんだけどな。 エルフたちはシャイターンの門って呼んでるらしいが、門って言ってるだけあっちの方が正確かもしれねー。 あれは使い魔を呼び出すための門みてーなもんだし」 聖地はエルフたちが現在領有していると言われている。 言われているというのはブリミル教が聖地はどこにあるかを知らないためだ。どこにあるかわからないがエルフたちの所有している土地を奪い返すことなど不可能である。 6000年も続く戦いの中でエルフたちと戦って得た土地など微々たるもの。それどころか反攻で、奪われた土地のほうが多いだろう。 そして人間たちが攻撃しても、エルフたちが人間を追い出す程度に止めていたのは正反対の場所に使い魔たちがおり、それらが後患の憂いとなっていたからなのかもしれない。 「勝算は?」 マザリーニがデルフリンガーに真摯な瞳で尋ねる。 実質的宰相とも言われる枢機卿が真剣に頼みごとをする姿は滑稽といえるかも知れないが、彼もそしてこの場にいる全員が固唾を飲んで始祖の作った剣の言葉を待つ。 「ルイズだ。ルイズはもともとそのために虚無の力に目覚めたんだからな」 言われた当の本人は、覚悟していたようにその言葉を受け止める。 「ブリミルもな、虚無の力がとんでもねえ悪人に渡ったら、って心配したんだよ。 虚無の魔法を使うために1つの秘宝と1つの指輪。 使い魔たちを呼び出すのに、一種の使い魔につき一個、つまり3つの指輪が必要にと厳重な制限をかけてもまだ心配だった。 だから虚無の力を分けた。つまりルイズ、お前さんはカウンターなのさ」 場の視線はルイズに注がれる。 「わかってた……っていうとちょっと違うけどその話を聞いて納得したわ。わたしはあいつを敵だと感じたわ」 「だろーな。だが、問題は使い魔だった。 たとえ同じ虚無の力を持っても使い魔の軍団がいる以上、その対抗する担い手に勝ち目はねえからな。 なにせあいつらはこの世界で最強の存在だ。だからこの世界の他のどんな幻獣を呼び出しても勝てるはずがねえ。 だからブリミルは自分も知らねえ、虚無の4種めの使い魔を作った」 不思議なことを言うとみな眉をひそめた。 「デルフ、それってどういうこと?ブリミルは4体の使い魔を率いたって言われてるはずよ」 「じゃあキュルケ、その4番目の使い魔の名前わかるか?」 キュルケは首を振った。尋ねるように視線を向けてもみな同じようだ。 始祖が4体の使い魔を引き連れたというのはよく知られた話であり、少し書物を引けばガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴの名はすぐに知れる。 だが4番目の使い魔の名を知っている者はこの場には、それどころかこの世界にいない。 「そりゃそーだ。ブリミルが率いたのは4番目の使い魔なんていねーんだからな。 ブリミルは正当な虚無の担い手に対抗するために生まれる担い手の召喚の扉に細工をしたのさ。 扉が異世界で開くようにな。それで呼び出されたのが4種めの使い魔だ。」 今まで少し話についていけなくなっていた陽介、完二、クマが話に注意を引かれる。自分たちが呼び出された原因というのは始祖という人物だったのだ。 「な、なんでそんなことを?」 「虚無の使い魔はこの世界最強だ。だからこの世界でどんな使い魔を呼び出しても対抗すらできない。 なら、異世界から強いヤツを呼び出してソイツに戦ってもらえばいいとブリミルは考えたのさ」 全員が押し黙った。 沈黙の中、答えを返された陽介は言った。 「ブリミルさんテキトー過ぎじゃね?」 ルイズは伝説の始祖をないがしろにしたことを言う陽介を睨んだが、それだけで何も言わない。ルイズも意識したにしろ無意識にしろ陽介の言ったことを思ったからだ。他の全員も同様だ。 デルフリンガーは笑っている。 「確かにそのとおりでえ。しかもどーいうわけか、娘っこの使い魔だけじゃなく、そこのねーちゃんとちびっこの使い魔までそうしちまったってわけだ。 ジョゼフが一回で3体の使い魔を呼ぶように娘っこも3体呼んじまったんだろうな。それも不完全で、他の魔法使いの召喚に割り込む形で」 ルイズが驚いたように目を少し見開き、それからうつむいたのをキュルケは見逃さなかった。 「今、ジョゼフは姿を消してるそうじゃねえか」 「確定した情報ではないが、ガリアは現在混乱状態にあります。おそらく王が姿を消したように推測されますが……」 「あいつは門に行って使い魔を呼ぼうとしてるんだろうよ。あいつはもう3つのルビーがあるしな」 「ロマリアを攻めたのも、始祖の時代から伝わる指輪を手に入れるためなのですか……?」 「それ以外ないと思うぜ」 重い沈黙が流れる。 イザベラは目を伏せてスカートを強く握る。タバサは手をイザベラの手にそっと重ねる。 沈黙を切り裂いたのはアンリエッタの力強い声だった。 「次にジョゼフ王……いえ、もう王ではないですね。 ジョゼフが攻めてくるときは恐ろしい使い魔を連れてくるでしょう。 わたしたちは戦わなければいけません。どれほど絶望的であろうとも」 それから三人の使い魔に姿勢を向ける。 「あなたたちは別の世界から来たといいます。きっとそうなのでしょう。 この世界はあなたたちの世界ではありませんが、始祖ブリミルのご導きで出会えました。ぜひともお力添えをお願いします」 アンリエッタは深々と頭を下げる。 「ちょっ、頭さげるとかやめてください!」 彼女の行動に陽介は慌てた。 アンリエッタは顔を上げた。 「協力してくださるのですか?」 異世界から呼び出された3人は顔を見合わせる。 「実を言うとこのために呼び出されたとか言われてもよくわんないし、たぶんそれじゃあ命かけて戦おうなんて思わないっす」 それは言うまでもなく、彼らと同じ立場に立たされた者なら誰もがそういうだろう。しかし陽介の言葉はそこで終わらない。 「でもこの世界に来て一ヶ月程度だけど、仲間が出来た。大切な仲間が。そいつらをほっとくなんてできることじゃねえ」 陽介はタバサの肩に手を置いた。彼女は彼の顔を見上げた。じっと見つめてくる少女に笑うことで答える。 「オレもだ。世話になったやつもいる。ダチがアブねえってのに知らん顔なんて男じゃねえ」 「クマもこの世界の人を守りたい。クマはみんな大好きだから」 それぞれの主は使い魔の言葉に感銘を受けたようだ。 アンリエッタは全員の顔を見回してから言った。 「戦いは苛烈なものになるかもしれません。それでもこの世界を守りましょう」 全員が強く頷く。 ハルケギニアの権力者たちがグラン・トロワの一室に集まっているとき、その宮殿の庭にある噴水の外円に腰かけている二つの姿があった。 その一つは丸みをおびていて大きい。 「最近ちょっと暑くなってるけど、夜は涼しいわね」 時刻はすでに深夜であり、噴水の水面には美しい双月が映し出されている。 「そうクマね……」 キュルケは隣に腰かけているきぐるみ姿のクマを見る。 球型の体で細い噴水の縁に腰かける様子は危うい。前から押したら抵抗することもなく水面に後頭部からダイブだろう。 だがそれよりも気になるのはクマの様子だ。 「何か悩みごとがあるの、クマ?」 クマの様子は眼に見えて混乱を見せた。あたふたと動き、バランスをくずして水辺に落ちそうなのが心配だ。 「べ、別になんでもないクマよ!」 「あら、わたしに隠しごと?」 「むっ……」 しばらく黙って後、クマは観念した。 「この間、デルフが言ってたことを考えていたクマ」 「不安になったの?」 「そーなんだけど、たぶんキュルケチャンとは別のことクマ」 「どういうことよ?」 「デルフは強い人を呼び出すって言ってたクマ」 「あなた人なの?未だによくわからんないんだけど」 「ガク」 クマはおおげさに前のめりに倒れるフリをする。 「もう、キュルケチャン!イジワルはやめて欲しいクマ!今クマ真剣な話してるクマよ!?」 「ごめんなさい」 イジワルだけってわけじゃないんだけど。それは口に出さず謝る。もっともクマのどこかコミカルな動きに少し笑いながらだが。 「だから、クマは強いから呼びだされただけなんじゃないかって……。 クマはきっと何か理由があってキュルケちゃんに呼び出されたんだと思ってた。でもクマじゃなくたって強ければ誰でもいいんじゃないかって……」 じっと真面目に話を聞いていたキュルケが口を開いた。 「あなたって本当にバカね」 「ななななんですと!?」 立ち上がってキュルケはクマを正面に回って、見据える 「バカって言ったのよ。えい」 つんと軽くクマの体を押す。 「あ、あわわわわ」 腕を振りながらなんとかクマは噴水への落下を防いだ。 「な、ナニするクマ」 「だってあなたがあんまりにもバカだから」 「だからクマのどこがバカだっていーんですか!?」 「今からたっぷり教えてあげるわ」 「なんだかカンビなヒビキ…」 「みんなも来たしね」 「えっ?」 キュルケはクマの向こう側、噴水の向こう側へと片手を高く上げて振っている。 クマも噴水の縁から降りて振り返るとたしかにそこには4人の人物がいた。 ルイズと完二、タバサと陽介だ。 「あんたたちこんな夜中に何してるのよ?」 「あら、ずいぶんな言い方ねルイズ。お話が終わるのを待ってたのよ。 ずいぶん長い時間かかってたみたいだけどどうだった?」 「協力を取り付けられた」 「そう良かったじゃない」 ルイズはそんなことはないという風にオーバーリアクションで首を振る。 「みんな質問が多すぎるのよ。虚無の魔法使いだからって何でもわかるわけじゃないのよ!?」 よほど質問詰めにされたのであろう。おそらく喋らせたら朝まで愚痴をこぼすかもしれない。 「そんなことより聞いてよ、クマったらさっき何て言ったと思う?」 「そんなこと!?」「キュルケチャン!?」という二つの制止の声は無視する。 「この子ったら、強い使い魔が呼び出されるなら別に自分じゃなくてもよかったんじゃないのかって、偶然呼び出されたんじゃないかって悩んでたのよ?」 「はあ?んだソリャ、イミわかんねえ」 言葉の通り、完二はなぜそれが悩みの種になるのか理解できない様子だ。 「い、イミわからんて……」 「お前はよくどーでもいいことで悩むよな」 「どーでもいい!?」 クマは陽介の切捨てる言葉に驚愕の声を上げる 「どーでもいいだろーが。別に俺らが呼び出された理由なんて。 どんな理由で俺たちがこの世界に来てもこの世界での体験したことが嘘になるわけでもねー」 「それはそークマ……」 「よーするにお前がこの世界に来てよかったかどうかだろ?」 陽介はクマを片目をつぶってみて来る。 「俺はよかったと思うぜ。タバサに召喚されて」 タバサが自分の使い魔に顔を向ける。 「ヨースケ……」 呼ばれた使い魔はへへっと照れくさそうする。 しかしタバサは親友キュルケを指差し、言った。 「でも、サビエラ村では彼女に呼ばれたかったと言ってた」 「えっ、アレ、そんなこと言ってたっけ?つーかよく覚えてましたね、タバサさん?」 突然、吸血鬼退治を行った村のことを言われてあわてる。 たしかに油断しきった魔法使いのフリをするためにお酒を飲んでいたときにポロっと何か言った記憶が…… 「しょーじきなトコロ、おんなじご主人様にするならクマみたいにボンッキュ……」 一字一句違わぬ言葉をタバサは淡々と紡ぐ。 まぎれもなく自分が言った言葉に記憶が想起されて陽介も焦る。 「わーっ!!ちょっ、マジやめて!つーかもしかして怒ってる?根に持っちゃってる系?」 陽介は自身より小さな少女に必死に言い訳を考え、刺激された記憶中枢からそれより昔のことを思い出す。 たしか召喚されて次の日の朝にタバサに召喚されて良かったと言ったはず。 「あっ、でもホラ。それより前にルイズよりタバサのほうがいいって言ったぜ?」 「それは床で食べさせようとしなかったというだけ」 ルイズも慌てた。なにせこの二人の主従が言っているのはまさに自分のことだからだ。 「む、昔の話じゃない!今はさすがにそんなことしようとしないわよ!」 完二が来た次の日、ルイズは彼を床で食べさせようとした。 その結果として完二が怒ってどこかへ行ってしまったりしたが、あとで自分と一緒に食べようと言ったはずだ。 もっともその後の完二の失言のためにその言葉は撤回されて、なんだかんだで彼は厨房で平民たちと共に食事をとるのを日課にしている。 慌てる二人と、落ちついて言葉数少なく反論するタバサたちを脇にクマが言う。 「クマは…ヨースケやカンジみたいな活躍してないクマ」 「何人もあなたの魔法で助けたじゃない」 「そーだぜクマ。ルイズがボヤっとして惚れ薬なんて飲みやがって、あの時は……」 「ちょっとあの時の話はやめなさいよ!あーもう、なんなのよ今日は!」 タバサや陽介に昔の話をしないように釘を刺しながらしっかりと自分の話は聞いていた。 完二はしまったと頭をかき、ルイズはぎゃいぎゃいと文句を言っている。 タバサと陽介、完二とルイズがそれぞれ白熱しているなか、クマは傍らに立つ自分の主を見る。彼女の目は優しい。 「キュルケチャンはクマが使い魔でよかったクマか?」 「当たり前じゃない。わたしにとって最高の使い魔よ」 その言葉を聞き、クマは感極まり泣き始め、抱きついた。 「おーよよよ、クマ、キュルケチャンの使い魔でよかったクマ!」 「ほらほら泣かない」 使い魔の肩というか背中らへんをぽんぽん叩いてやる。 「だからルイズも」 「今度は何よ?」 完二に文句を言っていたルイズがどうせまたろくでもないことだろうと思ってきっとキュルケをみる。 「わたしの使い魔があんたのせいで変わったからって巻き込んだとか思わなくていいのよ?」 「なっ——」 不意を打たれた、そういう顔をする。おそらくルイズも思うところがあったのであろう。 だがキュルケに言わせるなら何も気にすることではない。 それはタバサも同じようだ。 「気にしないで。ヨースケはわたしにとって最高の使い魔だから」 「タバサ…!」 気にかけていたことを二人にフォローされて、少し戸惑いながらルイズは虚勢を張った。 「ふ、ふん当たり前よ。むしろ感謝して欲しいくらいだわ!」 「いや、感謝はちげーだろ」 言い過ぎた感のある言葉に使い魔の冷静なツッコミが入る。 ルイズの顔は赤くし、キュルケや陽介、そしてクマが笑う。 「わ、笑うじゃないわよ!」 「む、ムリよ。あなたたちのコンビも息ぴったりなんだもの……」 さらに使い魔二人の笑い声が大きくなる。 「あ、今、タバサも笑ったでしょ!」 「笑ってない」 「うそ!今クスって……」 「笑っていない」 どうやら意地でも認めないということをルイズは悟る。 「もういいわよ……。そういえばタバサ、アンドバリの指輪返してもらったけどいいのよね?」 タバサはこくりと頷いた。 アンドバリの指輪はかつてウェールズを操ったレコンキスタにあったと思われていたものであり、タバサたちが入城を果たしたときにジョゼフの寝室にあったものだ。 レコンキスタにもジョゼフの影があったのであろう。 「水の精霊に返すって言ったけどとりあえず戦いが終わってからになりそう」 「みんなでラグドリアン湖に行ったことも、なんだか懐かしいわね。2、3週間くらいしか経ってないはずなのに」 「近くにいたけど俺らは別だったんだよな」 陽介とタバサはラグドリアン湖の畔にオルレアン公宅、つまりタバサの実家を訪れていたが、ルイズたちと同行したわけではなかった。 「あのときはギーシュとかモン……なんだっけか?まあいいや、モンモンも一緒にいたな」 「ん、誰だ、それ?」 「ほら、アレよ。カンジが来てすぐに食堂でつるし上げてたのと、その彼女」 「へー」 ん、何でそんなやつらと一緒に行ってたんだ?という陽介の質問は無視してルイズが言う。 「今度は6人で行けたなら、いいのに……」 ルイズは手の中にある指輪を見ながらポツリと呟いた。 「いいんじゃなくて、やればいいじゃない?」 「そーだぜ」 「クマもサンセークマ」 6人で指輪を返しにラグドリアン湖へ行く。それは誰にも魅力的な提案に見えた。 しかしこの約束が果たされる日は来ることはない。 その次の日、ヴェルサルテイル宮殿でガリア新王、シャルロット・エレーヌ・オルレアンそしてアンリエッタ・ド・トリステインの戴冠が行われた。 二人の戴冠式は同時に行われたのだった。 本来、戴冠はロマリア教皇が執り行うものである。しかし彼女たちは互いに冠を授けあった。 教皇が空位の場合や、来訪できない場合は戴冠は教皇の代理人が行うのが慣例であったが、あえて二人はこの選択肢を選んだ。 それはトリステインとガリアの強い結束を示すだけでなく、6000年前から続いてきた世界の変わりつつあることを示していたのかもしれない。 審判の日は近い。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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妖魔 LV22 ヤヌス LV22 ヤヌス 「初期」 HP(生命力)+80 MP(魔力)+200 STR(力)+15 VIT(耐久力)+10 TEC(技術力)+25 AGL(素早さ)+25 LUK(運)+50 MDF(魔法防御力)+5 MAK(魔法威力)+44 「同調」 HP(生命力)+100 MP(魔力)+300 STR(力)+30 VIT(耐久力)+20 TEC(技術力)+50 AGL(素早さ)+50 LUK(運)+80 MDF(魔法防御力)+8 MAK(魔法威力)+44 「最終覚醒」HP(生命力)+150 MP(魔力)+450 STR(力)+45 VIT(耐久力)+30 TEC(技術力)+70 AGL(素早さ)+80 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+12 MAK(魔法威力)+66 <装着相性> 全員と最高相性 虚実を察知する(言動だけでなく、行動や表情などからも察知可能) <ペルソナを装着するだけで使える能力> 鏡の自分 性格が反転する(どう反転するかはプレイヤーにお任せ)。もう一度使えば戻る。 MP消費無し <ペルソナ降臨で使える能力> 終わりへの扉 敵全体に即死攻撃、ただし成功率は低め。 消費MP30 始まりの扉 味方全体の行動成功率を30%アップする。効果は1ターン(または一回) 消費MP30 マカラカーン 1ターンの間、敵の魔法攻撃をすべて反射する。 消費MP 50
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LV 名前 物 火 氷 雷 風 光 闇 力 魔 耐 速 運 初期スキル 取得スキル 備考 59 アヌビス - - - - - 無 - 38 41 37 37 31 ハマオンマカラカーンムドオン ポイズンアロー(60)マスタードボム(61)メギドラ(62)マハンマオン(64)ハマ成功率UP(65) 67 トランペッター - - 吸 反 - 反 無 40 47 39 45 37 メギドラジオダイン電撃ハイブースタ マハラクカジャ(68)勝利の息吹(69)メギドラオン(70)ランダマイザ(73)ヒートライザ(74) ヒランヤスプレッド継承不可スキル:ランダマイザヒートライザ 72 ミカエル 耐 無 弱 無 45 42 43 48 45 空間殺法メギドラハマオン メギドラオン(74)マハンマオン(75)闇反射(76)天軍の剣(79) 76 サタン 反 弱 反 45 60 47 40 43 メギドラオンマハラギダイン 大治療促進(77)大気功(78)光からの大生還(80)漆黒の蛇(81)疾風無効(82) 継承不可スキル:漆黒の蛇 83 メタトロン 無 反 弱 54 55 53 46 48 マハンマオン天軍の剣 メギドラオン(86)氷結反射(87)電撃反射(88)火炎反射(89) 90 アルダー 耐 無 無 62 52 64 41 58 イノセントタックゴッドハンド メギドラオン(91)気絶防御(92)防御の心得(93)メディアラハン(94)大天使の加護(95)物理無効(96) 特殊合体? 93 ルシファー 耐 - - - - 弱 無 62 69 61 52 51 ブフダインブレイブザッパーコンセントレイト 氷結ハイブースタ(94)魔術の素養(95)光反射(96)電撃吸収(98)勝利の雄たけび(99) コミュ解禁ペルソナヒランヤスプレッド
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ペルソナ・シャッター・レイヤー2(アニメ) 永続魔法 (1):相手フィールドのカードは相手フィールドのカードの効果を受けない。 永続 罠
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♪苦悩 ---刑務所 面会室--- ギイィィ… 薄暗い部屋の中、一人の男が俯きながら座っていた。 その手には重苦しい手枷が嵌められている。 ミーナ「・・・お久しぶりです。閣下。」 マロニー「よせ。私はもう軍人ではない。」 そう言って男は顔を上げる。 トレヴァー・マロニー元ブリタニア空軍大将。 以前見た時よりもやつれた姿の彼がそこに居た。 俺(あれが・・・マロニー大将・・・) マロニー「今更この老いぼれに何の用があるというのだ・・・」 眉根を寄せ不機嫌そうに訊ねる。 ミーナ「先日、我々の前にグレゴリと名乗る2人組みが現われました。」 ミーナ「彼らは、死を呼ぶもの・・・『デス』を復活させるために暗躍していたようです。」 マロニー「デス・・・だと・・・!?」 『デス』と言う単語に反応を見せるマロニー。 この男もどうやらこの件について関わりを持っているようだとミーナには見当がついた。 ミーナ「ご存知のようですね。デスについて。そしてグレゴリと名乗るネウロイの力を使う2人組みについても。」 マロニー「ネウロイの力・・・まさかあの時の孤児達か!?」 ミーナ「ええ。彼らは実験に利用され、半ネウロイ化してしまったそうです。」 マロニー「そうか・・・彼らは生きていたのだな・・・」 どこか悔しそうに、マロニーが歯を噛み締める。 ミーナ「教えていただけませんか。彼らの施された研究と・・・そしてデスについて・・・」 マロニー「・・・・・」 しばらく黙った後、マロニーが再び口を開く。 マロニー「デスの核心については私も詳しくは知らない。だが、君たちが知ろうとしている計画の首謀者の男は知っている。」 ――――――――― ―――――― ――― 私にはかつて大学時代の同期の友人がいた。 そいつは非常に有能だった。他に類を見ない天才とまで言われた。 それに、奴は自分の夢のためにはどこまでも真っ直ぐなやつだった。 そいつの名は・・・『アレイスター・クロウリー』。 時が経ち、私は軍事職に、奴は軍からスカウトされネウロイの研究員として動員された。 奴と再会したのは12年前。 ネウロイ研究の成果の一部を軍に導入しようという案件があり、その交渉のため、私は奴の研究所を訪れていた。 私とアレイスターはそこで再会した。 奴は既にネウロイ研究の権威となり、その研究所の所長へと昇格していた。 しかし過去に見たアイツの面影はどこにも無かった。 奴は研究を続けるうちにネウロイの力に魅入られ、その力を利用しようと企んでいた。 そしてその力で何か途方もないものを造り出そうとしていた。 芳佳「途方も無いもの・・・?」 そう、時空間を操る神器だ。 ミーナ「時空間操る神器・・・」 言葉の通りだ。時の流れや空間さらには次元までもを操作し、あらゆる事象を意のままに操る道具だ。 奴はネウロイの時空や次元に干渉する力に心酔し、それを我が物とし、世界の全てを支配しようとした。 俺「や・・・野望のスケールがデカい・・・」 本来ネウロイの弱点を探り出したり、その力の一部を軍事利用するためだけのはずだったその研究は、アレイスターの指示によりおかしな方向へ進んでいった・・・ アレイスターがおかしくなったのは、奴が最愛の妻を失ってからだと言う話を聞いた。 それからの奴は生きる目的を失い、己の空虚な心を満たすためだけに研究を続けた。 次第に奴の目的も歪み始め、遂には単なる支配力の追求ををはずれ、滅びを求めるようになった。 アレイスターはとり憑かれたかのように研究員にネウロイのコアを集めさせた。 そして、奴はその集めたネウロイの力で人工のウィッチと人工のネウロイを造りだしていた。 全て、世界を滅ぼすための道具とするために・・・ だが、人工のウィッチの開発に使われたのは行き場を失った孤児たちだった。 研究員の一部は疑問を感じていたようだがそれを止める事は出来なかった。 ある日、もう一度私がアレイスターの元を訪れ、その事実を知った時・・・ クロウリー「君は実に有能なサンプルだ・・・」 マロニー「これ以上はやめろ、アレイスター!」 私は奴の研究をやめさせようとした。 奴の人としての間違いを正すために。 クロウリー「なぜやめる必要があるのだ、マロニー。」 クロウリー「この研究が成功すれば、もはやネウロイなど恐れる必要もなくなるのだぞ?」 マロニー「ふざけるな!そのためにこの子達の命が奪われるのはおかしいだろう!お前は命をなんだと思っているんだ!?」 クロウリー「命など・・・無意味だ。」 マロニー「なに!?」 クロウリー「無意味なのだよ。生きている以上人はいつか死ぬ。その時期が少し早いか遅いかの違いだけだ。」 マロニー「血迷ったか、アレイスター!!」 クロウリー「血迷ってなどいない。私は正常だ。」 マロニー「いや、お前はおかしい!今のお前は紛れもない悪魔だ!」 クロウリー「なんとでも言うがいいさ。」 マロニー「くっ・・・このわからずやめ!」ツカツカ… その後も何度も説得に訪れた。だが・・・ クロウリー「戦争に利を見出すような腐りきった世界は、一度滅ぼさなければ救われないのだよ。」 何度訪れようとこの台詞の一点張りだった。 ・・・私は奴の説得をあきらめた。もう奴に私の言葉は届かない。 そう確信したからだ。 ・・・私が最後の説得に訪れたた日、ふと一人の女性研究員に声をかけられた 白髪の女性「少し、よろしいでしょうか・・・」 マロニー「あ・・・ああ、構わない・・・」 私はその女性に別の研究セクションへ案内された。 そこにはデスとは別の人工ネウロイがいた。 そのネウロイは人のような姿をしていた・・・かと思えば急に鋭角状に形を変えたりと不思議なネウロイだった。 マロニー「これは・・・」 白髪の女性「それはヒュプノスです・・・」 女性の研究員は私にそういった。 マロニー「ヒュプノス?」 白髪の女性「この話は所長にはご内密に・・・」 その後、私はそのネウロイ、ヒュプノスについて話を聞いた。 ヒュプノスは元々アレイスターによって作られた最初の人工ネウロイだった。 初め、奴は世界を滅ぼす手段としてネウロイを操り、自らの力にしようとしていた。 そこで開発されたのが「コアコントロールシステム」。 ミーナ「たしか・・・それは・・・」 そう、私が開発させたウォーロックにも搭載されたものだ。 元々この技術はアレイスターによって開発されたものだ。 ヒュプノスは、そんなコアコントロールシステムが搭載された初の人工ネウロイだった。 だが、アレイスターはより確実に世界を滅ぼす方法としてデスの存在を発見した。 それからのやつは人工的にデスを開発しようと躍起になり、同時にヒュプノスは廃棄される事になったそうだ。 だが、ヒュプノスは別のセクションへと移され、アレイスターの思想に疑問を抱くものたちによって秘密裏に改造された。 そして、新たにヒュプノス与えられた目的。それは集めたネウロイ、そしてデスが暴走した際の保険。 その改造のきっかけは、宮藤博士にあると聞いた。 芳佳「お父さんが・・・」 博士はどうやら新たなストライカーの開発を行うためにアレイスターからネウロイのデータを提供してもらっていたそうだ。 だが博士はアレイスターがこんな危険な研究をしてるとは知らなかったようだな。 研究所を直接訪れて初めて、博士はアレイスターの恐ろしい研究の内容を知ったそうだ。 そして、デスを見た宮藤博士はこのネウロイの危険性をいち早く察し、裏で別の研究員にデスを止めるための手段を開発するよう提案したそうだ。 そこでアレイスターに疑問を抱いていた研究員達は、廃棄されそうになっていたヒュプノスを再利用する事を決めた。 あくまでデスを鎮圧するための手段としてな。 宮藤博士の提案どおりヒュプノスの再開発は秘密裏に進められ、時折博士自身も様子を見に来ていたそうだ。 開発に携わった研究員達は、ネウロイに学習能力があることを利用し、まだ自身をネウロイとも認識していない無垢なヒュプノスに、自らの役割を認識させるために何度も刷り込みを行った。 その後もヒュプノスはそのまま見つかることなく開発が進められた。 そして9年前の事故。 表向きでは単なる爆発事故として報道されたが、本当は研究所で開発された人工ウィッチのサンプルによる暴動。 俺「・・・・・」 事実とはいつも隠されるものだ・・・ その事故で偶然生き残った研究員から聞いた話では、その時にアレイスターは死んだそうだ。 そしてヒュプノスについて話してくれた彼女も・・・ 暴動の際、デスの入っていた容器がサンプルによって破壊され、デスは不完全な状態で暴走した。 だが、同時に研究員の誰かの手によってヒュプノスが起動した。 そして、ヒュプノスによりその場でデスは鎮圧された。 だが、同時に役目を終えたヒュプノスは完全にネウロイと化した。 元々ヒュプノスは純度の非常に高い、ネウロイに近い存在だった。 与えられた役割を失ったヒュプノスは自らをネウロイと認識し、同胞の元へ帰るために飛び去ったという・・・ そして今から約2年前、ヒュプノスは我々の前に再び現われた。 完全なネウロイとしてな。 芳佳「まさか・・・」 そう、君が接触したあの人型ネウロイこそヒュプノスなのだよ。 当時の私はアレイスターの事など殆ど忘れ去っていた。 大将の座についてからの私は権力に溺れ、世界的なイニシアチブを握る事に躍起になっていた。 そしてその実現のために無意識の内にアレイスターの研究に手を出し、ウォーロックを作り出した。 だが、そんな中ヒュプノスの存在を君たちより少し早く観測した。 そこで私は我に返った。ヒュプノスもいわばアレイスターの研究の一部だ。 それが世界に知れれば、瞬く間にその研究の技術は浸透し、再びアレイスターのように滅びを求めるものが現われるかもしれなかった。 私はウォーロックの開発を急がせた。ヒュプノスを撃滅するために・・・アレイスターの研究を後世に残さないために・・・ だが、それ以前に私自身もアレイスターの研究に手を出していた事に気がついた・・・ 自分の愚かしさに腹が立った。だが、ヒュプノスはどうしても撃滅せねばならなかった。 そしてウォーロックを出撃させた日・・・まだ調整が必要だったウォーロックはそれでもヒュプノスを撃滅する事に成功した。 更には、開発の目的の一つであった、ネウロイの巣の単機での破壊も難なくやってみせた。 だが、何の理由かウォーロックは暴走し、君の乗っていた赤城や扶桑皇国艦隊を襲い始めた。 芳佳「・・・・・」 完全に誤算だった。巣の破壊を終えた後、早急に廃棄するつもりが赤城と融合してしまったのだからな・・・ ――――― ――― ― マロニー「それでもウォーロックは君たちの手により撃破された。」 マロニー「正直な話、君たちには感謝せねばならない。私の罪すらも取り払ってくれたのだからな・・・」 ミーナ「深入りは禁物・・・以前あなたが寄こした手紙に書いてあったこと・・・」 ミーナ「あれはこの事を知られないためのものだったと言うことですか・・・?」 マロニー「その通りだ。君達はあまりにもアレイスターの・・・ネウロイの研究に近づきすぎていた。」 マロニー「ヒュプノスの存在を君達が上層部に明かせば、いずれ誰かがそれを回収し、その技術で別の者が再びネウロイの研究を始めたかもしれない。」 マロニー「それだけはダメだ。あんな危険な研究は二度とあってはならない。」 マロニー「だが聞いた話では、ロマーニャでの作戦の際もコアコントロールシステムが使われたそうだな?」 ミーナ「ええ。魔道ダイナモという改良した形でですが・・・」 マロニー「・・・結局、私のせいでアレイスターの研究は残ってしまったというわけだな・・・」 マロニー「権力の追求に溺れていたのが愚かだったのだ。全く、あの頃の自分を殴ってやりたいものだ・・・」 マロニー「君たちには謝っても謝りきれない。今更だが、本当にすまないことをした・・・」 芳佳「マロニーさん・・・」 一度マロニーは一度ため息をつく。 マロニー「済まない・・・もう疲れてしまった・・・私に話せるのはこのくらいだ。」 マロニー「そういえば私の家に当時の研究員が残した音声記録があったな・・・」 マロニー「恐らく今は連合国側に押収されているはずだ。君の上層部の人間に旨を伝えればまわしてもらえる筈だ。」 マロニー「もしかしたら君達の役に立つかもしれない。私が君たちに出来る罪滅ぼしはこのくらいだが、よければ役立てて欲しい。」 ミーナ「閣下・・・」 芳佳「あの、一つ聞かせてください!」 マロニー「なんだね?」 芳佳「お父さん・・・いえ、宮藤博士が亡くなったのもちょうど9年前なんです。」 芳佳「もしかして、博士もその日、研究所に居たんでしょうか・・・?」 マロニー「すまない、私もそこまでは知らないのだ・・・」 芳佳「そうですか・・・」 ガックリと肩を落とす宮藤。 俺「宮藤さん・・・」 看守「そろそろ時間です。」 ミーナ「貴重なお話、どうもありがとうございました。では、失礼します。」 マロニー「ああ。」 三人はその場を後にした。 数日後・・・ 夜 ---バルト海上空--- エイラとサーニャの二人は夜間哨戒の任務に出ていた。 ブロロロロロロロロ… サーニャ「・・・!」ヴン 突然、サーニャの魔導針が点滅を繰り返す。 エイラ「どうした、サーニャ?」 サーニャ「帰ってきた・・・」ブロロロロロ サーニャは急いでミーナ達の乗っている輸送機へと向かう。 エイラ「お、オイ!サーニャ!まってくれヨ~!」ブロロロロロ 次いでエイラも後を追い、二人が輸送機へと近づく。 サーニャ「おかえりなさい。」 エイラ「なんだ、そういうことかヨ・・・」 ミーナ《ご苦労様、サーニャさん。エイラさんも一緒ね。誘導、お願いできるかしら?》 サーニャ「了解。」 サーニャは誘導のために歌を口ずさみ始める。 芳佳《ほら俺さん、サーニャちゃんとエイラさんですよ?》 俺《うぇっぷ・・・すいません・・・それどころじゃ・・・》 芳佳《いいから!》グイッ 俺《ぬおぅ!》 宮藤は俺の上体を無理やり起こし、窓を向かせる。 サーニャがそれに気づき、手を振る。 エイラ(サーニャ・・・いつもより嬉しそうダ・・・しっぽもあんなに立てて・・・) 芳佳《サーニャちゃーん!エイラさーん!ほら、俺さんも手、振ってください!》フリフリ 俺《あはは・・・》フリフリ サーニャ「ふふっ・・・?」 サーニャが向けた視線の先で、エイラが俯いてどこか暗い顔をしている。 サーニャ「エイラは手、振らないの?」 エイラ「・・・・・」 サーニャ「エイラ・・・?」 翌日 ---ブリーフィングルーム--- 聴取へと向かっていた3人は先日マロニーから聞いたことを一通り隊員に話した。 皆、各々思うところがあったようで、マロニーへの認識を改めていた。 そして夜、持ち帰ってきた約束の音声記録を再生する事になった。 ミーナ「では、再生したいと思います。」 音声はレコードに記録されていた。 早速レコードをかける。 雑音が混じりながらも悲鳴や爆音のような音が聞こえてきた。 ザザ…ザザザ・・・ ?「この記録が、心ある人に聞かれていることを願います・・・」 聞こえてきたのは女性の声。 俺(この声・・・) ?「所長は忌まわしい思想に魅入られて変わってしまいました・・・」 ?「この実験はやはり、行われるべきではなかったんです・・・」 ?「今日、あの子達が解放され、今、研究所を破壊しています。」 ?「その衝撃で・・・先ほど・・・デスが不完全な状態で覚醒してしまいました・・・」 ?「不完全であったデスは12のネウロイを飛散させました・・・」 ?「この飛び散ったネウロイが後世に悪影響を及ぼすのは間違いないでしょう。」 ?「お願いです・・・よく聞いてください。」 ?「飛散したネウロイに決して触れないでください!」 俺(たぶん・・・いや・・・間違いない・・・) ?「この研究、私にはとめることができませんでした・・・」 ?「所長には私ごときの声は届きませんでした・・・」 ?「あのネウロイは互いを食い合い1つになろうとします・・・そうなれば、世界は破滅してしまうでしょう・・・」 ?「もう一度言います!ネウロイには決して触れないでください!!」 俺「おふ・・・くろ・・・」 ?「私はもう助からないでしょう・・・」 ?「いま私の息子が、この研究所の避難用シェルターにいます。」 ?「私は・・・所長に脅しをかけられ息子をここへ連れてきてしまいました・・・」 ?「私は最低の母親です・・・息子を・・・実験のサンプルにしようとしたのだから・・・」 ?「・・・この記録を聞いた誰か・・・もし、できるならば・・・シェルターを開けて息子を助けてください・・・」 ?「おねがザザ・・・ザ・・・ザザザ・・・」 ここで音声は途切れた。 俺「そんな・・・おふくろ・・・」 俺「う・・・ぐ・・・くっ・・・」ボロボロ ゲルト「俺・・・?」 俺「うああああああぁぁぁぁぁぁ!!」ボロボロ そのまま泣き崩れ机に顔を伏せた。 俺「なんだよ・・・おふくろは・・・母さんはこんな研究のために死んだってのかよ!!」 俺「くっそおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」ガンガンガン!! 俺は泣き叫んだ。 母を失った時の悲しみと苦しみ、そして今生まれたやり場の無い怒りを全て吐き出すように。 何度も、何度も机を殴打する。慣れないことをしたせいで、次第に彼の拳からは血が滲み始めた。 ミーナ「俺さん・・・」 ルッキーニ「おれ・・・泣かないで・・・」グスッ 皆が哀れむような目で俺を見つめる。 ルッキーニは今にも嗚咽しそうだった。 トン… と、俺の背中に暖かい熱が伝わる。 サーニャ「もう・・・やめて・・・」 エイラ「・・・・・」 サーニャがそっと俺の背中に体を寄せ、宥めていた。 俺「うぅ・・・くっ・・・」ボロボロ サーニャ「・・・・・」 しばらく机に突っ伏した後、俺は徐々に落ち着きを取り戻した。 俺「・・・すみません・・・サーニャさん・・・もう、大丈夫っス・・・」グスッ サーニャがゆっくりと離れる。 俺は顔を上げて服の裾で涙を拭った。 俺「・・・取り乱してすみませんでした・・・その・・・今の声、多分・・・おふくろのだったんで・・・」グスッ ミーナ「そう・・・あなたのお母さん、研究員だったのね・・・」 俺「はいっス・・・まさか、ネウロイの研究だとは思わなかったっスけど・・・」 坂本「さっき、息子がシェルター内にいるといっていたがあれは・・・」 俺「俺のことっス・・・当時のことはショックでよく覚えてないんスけど・・・」 俺「あの日はいままで散々おふくろにわがまま言って、やっと研究所につれてってもらった・・・ずっとそう思ってました・・・」 俺「でも俺、実験台にされようとしてたみたいっスね・・・はは・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「それで、その時、あいつらの襲撃にあって・・・おふくろは死んだっス・・・」 全員が黙ってしまった。 俺「ごめんなさい・・・俺のせいで空気悪くしちゃって・・・」 ミーナ「謝ること無いわ。あなたの気持ち・・・よく分かるから・・・」 嘗て最愛の人を失ったミーナにも、彼の気持ちが痛いほどよく分かっていた。 ミーナ「今日はもう、解散にしましょう。」 この日のブリーフィングは解散になった。 ---巌戸台--- 俺「・・・・・あれ?」 一度眠りについた後、再び巌戸台の地に降り立っていた。 しかしどうも様子がおかしい。 街のあちこちに棺桶のようなオブジェが幾つも並んでいる。 夜空は奇妙な緑色の燐光を湛え、その頂点に不気味な程巨大な月が佇んでいた。 俺「なんだよ・・・これ・・・」 更に、地面に目を向ければ血のような赤い水溜りがそこら中に出来ている。 目を疑った。今までとはあまりにも違いすぎるその景色は妙な悪寒をそそった。 そこへ突然誰かに声をかけられる。 一郎「君は・・・俺君?」 それは、以前接触した宮藤博士だった。 俺「宮藤博士!?」 一郎「久しぶりだね・・・」 俺「博士・・・これは一体・・・」 一郎「ああ・・・これはこの世界特有の現象でね、午前0時を過ぎると1時間だけこの時間が発生するんだよ。」 一郎「この時間は『影時間』と呼ばれているらしい。」 俺「影時間・・・ですか・・・」 一郎「うん。それで、この時間は普通の人間には感じ取ることの出来ない時間らしいんだ。」 一郎「この時間を認識できるのは適性を持つ者だけ。」 一郎「つまり私と君は適性を持っているということだね。」 俺「はぁ・・・」 と、生返事を返す事しかできなかった。 一郎「いきなり言われても分からないよね。でもここはそういう世界なんだ。」 俺「あの・・・博士・・・」 一郎「なんだい?」 少し表情を硬くし、博士に今の世界の状況を伝える。 俺「今、俺らの世界で異変が起きてるっス・・・」 一郎「それはどういう・・・」 俺「突然街中にネウロイが現われて、そいつに襲われた人は無気力になっちゃう病気とか・・・」 俺「デスっていう滅びを呼ぶ者が復活しそうになったりだとか・・・」 一郎「デスだって・・・!?」 思わず博士が声を荒げた。 俺「はいっス。先日、マロニー元空軍大将から人工ウィッチと人工ネウロイの話を聞きました。」 俺「その時、ヒュプノスの開発に博士が携わっていたと・・・」 一郎「・・・その通りだ。私はヒュプノスの開発を手伝っていた。」 否定する様子も無く、宮藤博士は続けた。 一郎「デスの研究・・・勿論人工ウィッチの研究もだが、それが危険なことはあまりにも明白だった。クロウリー博士はデスの強大な力を利用してこの世界を滅ぼそうとした。」 俺「はい。それは、マロニー元大将から聞いたっス・・・」 一郎「そうか・・・それで、人工ウィッチが暴動を起こした日、私はヒュプノスの最終調整を見るためにその研究所にいた。」 俺「博士が・・・あの日・・・」 一郎「襲撃にまき込まれた私はかろうじて生き残った。そしてデスは私の予想通り不完全な状態で暴走した。」 一郎「ヒュプノスは私が開放した。そして、ヒュプノスは研究者達が刷り込んだようにデスを倒すために動いてくれた。」 一郎「正直そのときは、意識が朦朧としていたからあまり詳しいことは覚えていない・・・」 一郎「私が最後に見た光景はヒュプノスが何者かにデスを封印していたところだ。」 一郎「それが誰だったかはよく見えなかったけど、デスは間違いなく封印された。」 一郎「そのあと意識を失って気がつけばこの巌戸台にいたんだ。」 一郎「おそらく、ネウロイのもつ時空間に干渉する力が、元々ネウロイの中でも特殊な存在であるデスとヒュプノスが衝突した際に発生したんだろう。」 ネウロイの力は、宮藤博士自身の体にも影響を及ぼしていた。 博士の体は、この世界に来てから空腹や眠気といった人間が感じるはずの生理現象の一部を一切感じなくなったという。 つまり、博士自身の体の時間が止まっていたのだ。 俺「ん?ちょっと待ってください・・・妙に話がかみ合うんですけど、これもしかして夢じゃなくて・・・現実・・・?」 一郎「夢?何を言ってるんだい?」 俺「だって俺、この前だって目覚めたらちゃんと基地に戻っていたし・・・」 一郎「君はここを夢として訪れている・・・と言うことかい?」 俺「そのはずっス・・・」 一郎「そうか、道理で君が別の人間には認識されていないわけだ。あの後私たち遭遇しなかったのも合点がいく。」 一郎「一つ言えるのはこれは紛れも無い現実だってことだ。」 俺「そうか・・・現実・・・なのか・・・」 一郎「・・・ところで、私たちの世界で無気力症の人がいるという話だけど・・・」 博士が話題を元の路線に戻す。 俺「はいっス。ネウロイに襲われた人が次々に・・・」 一郎「そうか・・・実は、この世界にも似たような現象が起こってるんだ。」 俺「はい。前に見たことあるっス。」 そうだったのかと博士が一言言った後に続ける。 一郎「この世界にはネウロイではなくシャドウという存在が蔓延っていてね、それに襲われた人は無気力になったり場合によっては死んでしまうんだ・・・」 俺「シャドウ・・・」 一郎「ああ・・・おっと、そろそろかな。」 直後、異様な存在感のあった月の気配が薄れる。 そして、天を彩っていたはずの緑色の燐光は消え失せ、月は白くなり、星が瞬き始める。 つまるところ、影時間が明けたのだ。 棺桶のようなオブジェも消え、その場所から人が次々に現われる。 一郎「私はそろそろいくよ。君も元の世界に帰るといい。」 俺「はいっス。あの、博士。」 一郎「何かな?」 俺「俺、きっと博士をこの世界から元の世界に連れもどす方法見つけるっス。だから、待っててください。」 一郎「ありがとう。私も引き続き戻る方法を模索する。家族もきっと待ってくれているだろうからね。」 一郎「それじゃあ、またいつか。」 俺「はいっス。」 段々と意識が遠のいて行く・・・ 続き→ペルソナ15
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未投下 前へ 目次へ戻る 次へ ---北海上空--- イヴ「雷撃よ、『ジオンガ』!」 イヴの目の前に現れる魔法陣。そこから電撃が直線状に放たれる。俺はそれをシールドによって防ぐ。 アダム「終いや!!」 後方からの斬撃。直感で体をそらし、何とか避ける。 イヴ「『ジオンガ』!!」 俺「しまっ・・・」 回避した態勢から戻る前に、俺へと電撃が飛んでくる。防御が間に合わない。 もうだめか・・・そんな思考が過り、俺は瞳を閉じる。だが、電撃が俺へと届くことはなかった。 俺「え・・・?」 芳佳「大丈夫ですか!俺さん!!」 瞳を開くと、目の前には赤色のシールドを展開した宮藤の姿があった。 俺「宮藤さん・・・なんで・・・」 芳佳「坂本さんの代わりに来ました。この女の人の相手は、私がします。」 俺「ダメっス!!戻ってください!!」 芳佳「ここまで来たら、もう逃げられないです。私も戦います。」 俺「でも・・・」 芳佳「でももだっても無いです。俺さんはそっちの男の人をお願いします。」 そう言って宮藤はイヴのいる方へストライカーを駆る。 アダム「どうすんのや、あの子?」 俺「・・・宮藤さんは強いっス。今は、彼女を信じます。」 アダム「そうかい。ほんなら、タイマン張るか?」 俺「アンタは・・・あのイヴって人、助けに行かなくていいんスか?」 アダム「イヴは負けへん。絶対にな。」 俺(・・・とりあえず、早いとこコイツを退けて、宮藤さんを助けなきゃな・・・) アダム「覚悟せぇや・・・オラァ!!」 俺「おおおおッ!!」 ギィン! その一方、宮藤は。 芳佳「どうしても、戦わなくちゃいけないんですか・・・?」 イヴ「あなた方が退いてくれるならば、戦う必要などありません。」 芳佳「私たち、その先にどうしても行かなきゃいけないんです。お願いです、私、できればあなたと戦いたくない・・・」 イヴ「退けば、あなた方は滅びを止めようと邪魔をする。滅びは確かに避けることは不可能。ですが、あなた方によって止められてしまうという可能性も無きにしも非ず。」 イヴ「芽は、早いうちに摘まねばなりません。あなた方がこの先へ行くというのなら、私たちはそれを全力で止めます。」 芳佳「どうして・・・どうしてそこまでして、この世界を滅ぼそうとするんですか!?」 イヴ「あなたに言っても仕方のないことです。焔よ、『アギラオ』。」 ボウッ、と火の玉がイヴの横に出現し、宮藤へと飛んでゆく。 芳佳「うっ!」 瞬時にシールドを展開。迫っていた火炎はシールドに接触すると、爆ぜ、消える。 イヴ「あなたも私たちと同じネウロイの力を持つというのに・・・なぜ滅びを受け入れようとしないのですか?」 芳佳「生きたいからです・・・これからも、この先もずっとずっと生き続けて、みんなと一緒にまた笑いたいから・・・だから、諦められないんです。絶対に。」 イヴ「笑顔の為だけに戦うと?生きることはただ苦しいだけだというのに。」 芳佳「生きることは、確かに苦しいかもしれないです・・・でも、その分、喜びもたくさんあります。生きているときに感じれる喜びは、きっと、どんなことよりも素敵なことだと思います。」 芳佳「私は、そんな喜びをこれからも感じたい・・・みんなと分かち合いたい・・・だから、それを守るために戦うんです。」 イヴ「なら、生を享受している間に喜びを感じられなかった私は、どうなるというのですか・・・?無駄な生だったというのですか・・・?」 芳佳「無駄な命なんて、一つもないです。あなたにもきっと、喜びを感じられる時が・・・」 それから、数秒の間が空く。 イヴ「・・・そんなの・・・そんなの綺麗事よ!!」 芳佳「!!」 突然イヴの口調が一変し、芳佳は驚く。 イヴ「ネウロイのせいで、目の前でお父さんもお母さんも死んだ・・・孤児院でできた友達も、みんな、実験に利用されて・・・みんな・・・みんな・・・」 イヴ「いつもそう・・・私にあるのは苦しいことだけ・・・喜びなんて一度もなかった・・・喜びを感じる前に、全て奪われて・・・いつの間にか私自身、嫌いだったはずのネウロイになってた・・・」 先ほどとは違い、彼女の目には明確な生気が宿っている。 イヴ「分かる・・・?あなたに、この苦しみが・・・」 芳佳「・・・分からないです。私は、あなたじゃないから・・・でも、これだけは言えます。あなたは、ネウロイなんかじゃない。」 イヴ「馬鹿言わないで・・・これを見てわからないの?このストライカーの模様。赤くなった目。私は、ネウロイなのよ・・・」 芳佳「違います。それなら私だってネウロイのはずです。あなたと同じようにストライカーに模様が入るし、目だって赤くなる。でも、私は自分をネウロイだなんて思いません。」 芳佳「ネウロイには感情がありません。でも、私には感情があります。みんなと笑ったり、泣いたりできる・・・あなただってそう。今みたいにそうやって、苦しんだり、悲しんだりすることができる。」 芳佳「だから、ネウロイみたいに全部壊そうとしなくたっていいんです。幸せや喜びは、この先になれば必ず、あなたにもある筈だから・・・」 イヴ「・・・ふ・・・フフフフ・・・あはははははは!!」 突然、狂ったように笑い始めるイヴ。 イヴ「・・・やはり、私とあなたはわずか程も交わってはいない・・・語るだけ無駄です。やはりここで消えてもらいます。」 そう言うや否やイヴが宮藤へと肉薄。腰に据えられたナイフを引き抜き、宮藤へと斬りかかる。 宮藤も瞬時に反応し、背中に帯刀していた烈風丸を抜刀。ナイフを受け止める。 芳佳「どうしても、戦わなきゃいけないんですか・・・」 イヴ「もう、遅いのです。なにもかも。」 ♪Heartful cry 先ほど見せた人間らしい感情。まだ、間に合う。ここで彼女を止めれば、まだ彼女を助けることが・・・宮藤は、覚悟を決めた。 芳佳「・・・あなたは、私が助けます!!」 ---第502統合戦闘航空団航空母艦 甲板--- ここは、502のメンバーが乗り込んでいる航空母艦。彼女たちも、今行われている戦いを見守っていた。 管野「・・・・・」 伯爵「どうしたんだい、ナオちゃん?随分と怖い顔だけど。」 管野「あいつ、あのままだと危ない。」 ニパ「あいつ・・・?あの、宮藤って子か?」 宮藤の存在は、他の戦闘団にも噂がいきわたり、すでに多くの者が宮藤のことを知っていた。俺についても同様であった。 管野「ああ。あいつ、剣の振りがなってない。あの男の方は、刀を当るか当たらないかのギリギリのとこで刃を峰に返してる。たぶん、相手を殺さずに倒そうとしてるんだ。」 管野「でも、宮藤の方は峰に返す瞬間がバレバレだ。それに、刀の振りが少し遅い。その証拠に、さっきから相手に避けられてばっかだ。」 ぶっきらぼうな面構えで腕を組みながら自らの考察を述べるこの少女、管野直枝。宮藤たちと同じ、扶桑出身のウィッチであり、ジャイアントキリングを好むピュアファイターである。 その隣にいるスオムス空軍の軍服を着た、エイラの親友でもあるこの少女は、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン。愛称は『ニパ』。 そして、菅野の後ろで、彼女の右肩に手を置きながらもう片方の手で双眼鏡を構え、上空の様子を見守る、どこか紳士的な雰囲気を醸し出しているこの少女。 かつてのエーリカの長機であり、バルクホルンたちとも面識があるカールスラントのベテランウィッチ。ヴァルトルート・クルピンスキー。彼女はその独特の雰囲気から、『伯爵』とあだ名されている。 ジョゼ「ぜ・・・全然わからないです・・・」 下原「私も・・・そこまで見えないよ・・・」 そう語るこの二人。片方はガリア出身の、この部隊の数少ない常識人であるジョーゼット・ルマール。愛称を『ジョゼ』。 その隣にいるうさみみを生やした扶桑人の少女は、下原定子。彼女は固有魔法に遠距離視と夜間視を持っており、それによって上空の様子をを見つめていた。 管野「・・・助けに行く。」 サーシャ「だ、ダメです!何を言ってるんですか!!」 制止するのはアレクサンドラ・I・ポクルイーシキン。愛称を『サーシャ』と言い、オラーシャ出身のこの部隊の戦闘隊長だ。 伯爵「止めてあげないでくれるかな、熊さん。こうなるとナオちゃんが止まらないの、知ってるでしょ?」 ロスマン「ちょっと!あんたまで何言ってんのよニセ伯爵!!」 ピシッ!と指導棒を伯爵に突き立て反駁する、銀髪で小柄なこの少女は、長年伯爵の戦友として肩を並べてきたカールスラントのウィッチ。エディータ・ロスマン。 伯爵「おやおや、怖い先生だ。」 サーシャ「ラル少佐ぁ・・・」 ラル「ん?ああ、いいんじゃないか?行かせてやれば。」 軽口でそう返す、この部隊の司令であるグンドュラ・ラル。彼女もカールスラント出身である。 ラル「ただし、ストライカーは壊さないでくれ。それが条件だ。あと、必ず戻って来るように。」 さばさばとしていながら、言葉からはどことなく重みを感じる。菅野はその言葉に力強く頷く。 サーシャ「もう・・・ここの人たちは・・・はあぁ…」 下原「行っちゃうんですか、管野さん・・・?」 管野「あいつだって、オレたちの仲間だろ。助けたいって思うのは当然じゃないのか?」 ニパ「仲間、か・・・そうだよな。」 伯爵「今日のナオちゃん、いつも以上にカッコいいね。うん、そういうところも好きだな、ボクは。」 ロスマン「なんの話しをしてるのよ、このニセ伯爵は・・・」 管野「とにかく、行くからな。」 ラル「ああそれと、落ちたらサメがいるかもしれないから、注意するように。」 サーシャ「そっちの心配ですか!?」 ジョゼ「気を付けてくださいね・・・」 管野「うん。行ってくる。」 ---北海上空--- 繰り返される斬撃の応酬。やがて二人は二匹の立ち上る昇竜の如く上昇をかけながら切り結ぶ。 散々打ち合った末、再び互いに距離を取る。 フッ 俺「!」ヴン ふと相手の姿が消える。すかさず俺は魔導針を発動させた。 俺「そこだッ!!」ヒュン ズパッ 俺「痛っ・・・」 新たに腕に刻まれた傷。 先ほどから相手が繰り返す、目の前から消える得体のしれない能力に翻弄され、俺は他の場所にも多くの傷を負っていた。 しかし、 アダム「どうやって・・・分かったんや・・・?」 消えていたはずの相手が姿を現し、脇腹を抑えている。どうやら俺の振りぬいた刀が当たったようだ。 俺が相手の問いに返すように、俺が眼鏡のつるをくいっと持ち上げる。黒目だった俺の瞳は、メガネの抑制が外れた途端、藤色を湛え始める。 アダム「ちっ・・・魔眼か。」 魔眼は、相手のステルス能力を見破ることができる唯一の対抗手段であった。 魔導針により相手の位置を捉え、魔眼により、相手の動きを見切る。俺は自信の固有魔法をフルに活用し、敵の能力を看破した。 だが、その考えに至るまでに負った傷の量はあまりにも多すぎた。 俺の意識が、少しばかり薄れ始めていたのだ。 ザクッ! 俺「グぅッ!?」 その一瞬の隙を突かれ、一気に距離を詰められた。俺の右肩は相手の刃によって貫かれる。 アダム「なんや、動きにぶっとるんやないか?オラァッ!!」グッ! 俺「ぐあッッ!!!??」 より深くへとねじこまれる刃。激痛が全身を襲い、顔には苦悶の表情が浮かび、瞳からは意思に反して涙が零れる。 穿たれた傷口から血が刃を伝って滴り、むせ返ると同時に口許からも血液が飛び散る。 インカムから誰かの声が聞こえたが、痛みのせいでそちらに気を配る余裕がなかった。 アダム「なぁ、ええ加減本気だせや。まだおるんやろ、『獣』が。」 俺「あいにく・・・はぁ・・・はぁ・・・俺が飼ってる獣は『淫獣』って名前のむっつりスケベだけっス・・・狂暴なのは余所をあたってください・・・」 アダム「フカシこいとる場合かワレ。このままやと死ぬで?助けでも呼んだらどうや?」 アダム「あぁ、アカンか。せやろな、ろくに戦う覚悟もあらへん連中やもんな。ったく、そんな覚悟もあらへんでよく軍人なんぞやっとるなホンマに。」 俺「・・・取り消せ・・・・・」 アダム「あ゛ぁ?」 俺「今の言葉、取り消せって言ったんだよ・・・!!」グッ 右肩を貫く刃を、左の手で握る俺。 アダム「ワレ、今の立場分かって・・・!?」 アダム(動かへん・・・どういうこっちゃ・・・) 動かそうにも、刃は微動だにしない。 俺「覚悟がない・・・?何も知らないくせに、勝手なこと言うなよ・・・」 アダム「なんや急に?」 俺「みんなそれぞれ覚悟をもってここまで来たんだ。全て終わるかもしれない・・・それでも生きたいから・・・かなえたい夢や、信念があるから・・・抗う覚悟をきめてここに来たんだ。」 俺「むしろ覚悟がないのは、生きることをやめようとしてるアンタとあのイヴって人だ・・・アンタらがやってるのは、単なる『逃げ』だろ・・・違うか・・・?」 アダム「おい。イヴを愚弄するような言葉吐きおったら殺す言うたやろ。ホンマシバき倒すぞ?」ギロッ 俺「ぬ・・・グゥ・・・ああああああああッ!!」ズボッ 刃を握っていた手に渾身の力を籠め、引き抜く。 俺「はぁ・・・はぁ・・・俺には、分からない・・・なんで、そこまでしてあのイヴって人に尽くすんだ・・・どうして全部滅ぼそうとするんだ・・・」 アダム「・・・お前には関係あらへん。オレは、イヴとやったらいくらでも不幸になったる。その先がたとえ地獄だとしても、オレはイヴの側に居続ける。そう決めたんや。」 アダム「他人のお前にとやかく言われる筋合いは・・・ない・・・ゴフッ・・・」 突然、男の口から赤い液体が吐き出される。それは紛れもなく血であった。 俺「!?」 アダム「ハァ・・・ハァ・・・糞ッたれ・・・もう時間があらへん・・・」 俺「時間・・・?どういう事っスか・・・?」 アダム「見ての通りや・・・無理やりネウロイの力埋め込まれて、今更体が拒絶しとる。イヴも同じ・・・どちらにせよオレらは近いうちに死ぬ・・・」 気づけば、相手の刀がネウロイ化を起こしている。次第に浸食され、体がそれに対して拒絶を行っていた。 アダム「決着・・・つけようや・・・はよせんと、つく前に死んで・・・ゲホッ!」 むせ返るたびに、男の口からは血飛沫が飛び散る。 俺「・・・・・」スゥ…キン! 俺は帯から鞘を抜き、刀を手に持った鞘へと納める。 この男の戦う真の理由。それは自分を満たす為ではなく、全て、あの少女の望みを叶えるためであった。 アダム「なに・・・剣しまっとんねや・・・ゴッホゴホ!!」 俺「これが、俺の戦い方っスから・・・」チキッ 自分にも、愛する少女がいる。腕に巻きつけたこのリボンを受け取った少女。その少女は世界の安寧を願い、これからもこの世界で生き続けたいと願っている。 俺も譲るわけにはいかない。俺は腕に巻いたリボンを一度握りしめ、静かに目を閉じる。 俺「俺にも、守りたい人が・・・守りたい人たちがいるんだ・・・今ここで斃れる訳にはいかない・・・アンタを越えて、その先へ進む・・・!」カッ 見開かれた瞳から発せられる威圧。それを相手へと送りつけながら、ゆっくりと姿勢を少しかがめ、抜刀術の構えをとる。 アダム「そうこななぁ・・・去ねやぁぁぁ!!」 俺「・・・おおおオオォォォォォォッ!!!」 片方は滅びの明日を願う少女のため。もう片方は平和で穏やかな明日を願う少女のため。互いの愛する者のため、それぞれの思いがぶつかり合う。 その一方で、宮藤は・・・ 俺の右肩が刀で貫かれる少し前。 芳佳「やあぁ!!」ブゥン! イヴ「それで攻撃しているつもりですか?」ヒラリ 峰打ちを狙うも、相手の不可解なベクトルの動きにより躱されてしまう。 その時、 俺≪ぐあッッ!!!??≫ インカムから俺の悲鳴が聞こえる。右肩を貫かれたのだ。 芳佳「俺さん!!」 宮藤が俺のいる方角へ振り返る。遠目だが、俺を何かが貫いているのがわかる。 ?≪よそ見するな!!宮藤!!≫ 芳佳「え?」 背後を振り返る。イヴがすでに詠唱を終え目の前に魔法陣を展開していた。宮藤の背に冷たい汗が流れる。 イヴ「『トリスアギ・・・』」 発動される魔術の名を言いかけたその時、 バキィ! イヴ「!!」 イヴは何者かに殴り飛ばされた。 芳佳「あ・・・あなたは・・・」 管野「管野一番、推参。」 そう吐き捨てた菅野はなぐりつけた拳にフッと息を吹きかける。 芳佳「あ、あの・・・」 管野「馬鹿やろう!!」 芳佳「え・・・」 耳を劈くような、菅野の怒号。 管野「どうして振り返ったんだ!?死ぬ気か!!」 芳佳「だ・・・だって、俺さんが・・・」 管野「だってもどうしてもない!!お前が死んだら元も子もないだろう!!」 芳佳「! ・・・」 伯爵≪ザザッ・・・おしゃべり中失礼するけど、ナオちゃん、相手を見た方がいい。≫ 管野がインカムからの伯爵の言葉通り、相手の顔を見る。 イヴ「何故・・・邪魔をするのですか・・・?」 管野「お前が仲間を傷つけようとしたからだ。それ以外に理由はない。」 イヴ「仲間・・・下らない。そんな綺麗事はもう聞き飽きた・・・」 管野「下らなくなんかない。個人の不可能は、仲間が変えてくれる。孤独を選んだお前はそれを知らない。だから綺麗事に聞こえるんだ。」 イヴ「うるさい・・・うるさいうるさいうるさい!!」 頭を抱え頭を振るイヴ。 イヴ「・・・もういい・・・ここで、全部消す・・・」バッ 手を開いたまま両手を前に突出す。次第に手のひらに赤いエネルギーが収束しはじめる。 エイラ≪ザザッ・・・まずい・・・逃げロ!宮藤!!≫ エイラの固有魔法が、目前に迫る脅威をいち早く察知した。 エイラ≪ビームだ!!それも、すごく強力な!!!≫ エイラの脳裏には、宮藤たちを焼き尽くし、海上の母艦や駆逐艦すらもすべて巻き込み破壊しつくす、赤い極太の光軸が放たれるビジョンが鮮明に映し出されていた。 しかし、宮藤は逃げなかった。自分が避ければ、どちらにせよ仲間に危険が及ぶ。 管野「どうする、宮藤?」 芳佳「・・・あなたは、私の後ろにいてください。」 管野「どうするつもりだ。」 芳佳「守ります。みんなを。だから、力を貸してください。」 管野「・・・もちろんだ。」 イヴ「消えろおおおぉぉ!!!」ビシュウウウウゥゥゥ!! 収束された膨大なエネルギーの束が宮藤たちに襲い掛かる。 ・・・ ・・・ ・・・ アダム「破亜亜あああぁぁぁッ!!」 俺「おおおォォォォォッッ!!!」シャン! それと並行して、二人の男の雌雄が決しようとしていた。 抜刀術。 相手を座して待ち、迎え撃つ一撃必殺の対人剣術。相手は、それを知っていた。抜刀術が『一撃必殺』の剣術であることを。 剣気一閃。電光石火の速さで鞘から抜き打たれる刃。剣速はすでに達人の域を逸しており、常人ならば見切ることはほぼ不可能。 しかし、相手はその更に一手先を読んでいた。あらかじめ間合いを見切られ躱されたのだ。 刃は相手に届くことなく、ただ虚空を一閃する。 アダム(躱した!今や!!)ヒュン! 後方へと瞬時に退き、すぐさま上段に構えなおし、 アダム「終いやあああぁぁぁ!!」 片手で唐竹に刃を振り下ろす。が、 グキィッ!! アダム「ぬあッ!!?」 衝撃。 俺の抜刀術は『一撃』ではなかった。 ニ撃目。もう片方の手に、逆手に握られた鞘が相手の刃を握っていた腕をへし折った。腕から抜け落ちた刃は、海へと落ちてゆく。 これこそが、坂本と共に編み出した二段構えの抜刀術。 通常の抜刀術は踏込みを行う必要がある。しかしここは空中。踏み込む地面など、どこにもありはしない。 そのため、鞘から引き抜かれた刃の威力は通常の約半分。そのための二撃目。一撃目の刀を振りぬいた勢いを利用し、鞘を相手へと叩きつける。 一刀目の「爪」を躱そうとも、二刀目の「牙」が相手に襲い掛かる。相手が躱す術はほとんど無いに等しかった。 俺はすかさず刀を納刀。納刀した鞘で相手の顎を打ち上げ、動きを封じ、柄で腹の急所を打つ。 相手の意識はそこで手放された。俺はすかさず気を失ったアダムを抱える。 俺「ふぅ・・・!?」 しかし、溜息をつくのもつかの間、網膜に強烈な光が焼き付いた。気づけば宮藤たちに、赤い破滅の光が襲い掛かっていた。 ・・・ ・・・ ・・・ 芳佳「烈ッ風ゥー斬ッ!!」 烈風丸に赤い魔力が纏われる。それは瞬く間に巨大化。膨大な魔力を纏った刃をビームに対して振り下ろす。 瞬間、カッ!と眩い閃光があたりを一瞬包み込んだ。 イヴ「!?・・・そん・・・な・・・」 次に目蓋を見開いた時には、ビームは掻き消え、傷一つ負っていない宮藤と、連合軍の艦隊が映った。 イヴ「ケホッ!」ピシャッ… 喀血が始まった。もう自分も長くない、そんな思考を巡らせていると、 ブロロロロロロ ストライカーの駆動音が耳に入り、音のする方へ視線を向ける。 下方から管野が拳を構えながら迫っている。朦朧とする意識の中、何とか両手を構え、再びビームを放とうとするが、 ゴスッ! 管野の拳が、イヴの腹の急所を抉るが早かった。イヴも、その場で意識を手放す。すぐさま管野が拾い上げる。 芳佳「管野さん!」 管野「手、貸してくれ。一人じゃ重い。」 ちょっぴりぶっきらぼうな表情の管野に宮藤は笑みを返し、二人は母艦へと帰還する。 ようやくついた決着。結局、誰も失うことなくグレゴリを退けることができた。 俺(よかった・・・無事みたいだ・・・) 二人の安否を確認した俺も、進路を皆の待つ母艦へと向けた。 その時、 アダム「・・・勝たな・・・勝たな、意味・・・あらへんのや・・・」カチャッ… 俺「っ!!」 俺の腹部に突き付けられた銃口。男の懐には、奥の手であるハンドガンが隠されていた。抱えられたこの男は最後の執念を振り絞り、その引き金を引く。 銃口に小さな赤い光が溜りはじめる。この男は、ハンドガンを介してのみビームを放つことができたのだ。 そして、それに俺が気づいた時には時すでに遅く、 ビシュッ! 俺の腹を一筋の細い光が貫いた。 ---航空母艦『ライオン』滑走路--- 先に帰還した宮藤を、501の全員が健闘をたたえる。管野は気絶したイヴを運び終えた後すぐに仲間の元へと戻って行った。 リーネ「よかった・・・よかったよぉ・・・芳佳ちゃん・・・」ギュッ 芳佳「うぅ・・・ちょっと苦しいよリーネちゃん・・・(でも幸せかも・・・///)」 ルッキーニ「あ!あれ!」 ルッキーニの指を指す方角から、ゆっくりと俺が降下し、着地した。俺は気絶しているアダムをゆっくりと降ろす。 すぐさまアダムは船員達により拘束、連行されていった。 サーニャ「俺・・・?」 体のあちこちに傷跡を作り、半ば満身創痍で戻ってきた俺。 よく見ると、切り傷とは別に、腹部に不自然な焦げ跡が残っている。その場所は深く穿たれ、留めなく血が流れている。 焦げ跡は、ビームが焼きついた跡であった。 俺「ゴフッ・・・」ドサッ 喀血。滑走路に赤い斑点がついたかと思うと、俺はそのまま地面へ倒れこんだ。同時にストライカーが足から外れる。 エイラ「!!」 サーニャ「俺!!」 サーニャは急いで俺へと駆け寄り、俺を抱え上げる。 俺「はは・・・ただいまっス・・・」ニコ サーニャ「嫌・・・どうして・・・死なないで・・・俺・・・」 俺「大・・・丈夫・・・ハァ・・・ハァ・・・俺は・・・死なないっスよ・・・約束を・・・守る・・・までは・・・ゲホッゲホッ!!」 途切れ途切れに、消え入りそうな声で懸命に言葉を返す。 サーニャ「でも・・・でも・・・グスッ・・・」 俺「心配・・・ハァ・・・いらないっス・・・それに俺、約束・・・破ったこと・・・ありますか・・・?」 サーニャ「うん・・・グスッ・・・」 俺「ハァ・・・ハァ・・・ありゃ・・・でも・・・二人との約束は・・・絶対に・・・守るっス・・・誓います・・・だから、お願いっス・・・泣かないで・・・ください・・・」 サーニャの頬を零れ落ちた涙を、震える俺の指がそっと拭う。 芳佳「俺さん!!」 宮藤が俺の元へと駆け寄り、使い魔を発現させ、治癒魔法をかけるために両手を俺へと翳す。が、俺は手でそれを制止し、首を横に振る。 芳佳「なんで・・・」 俺「こんな・・・ところで・・・ハァ・・・ハァ・・・力を・・・使っちゃいけない・・・ハァ・・・この力は・・・この後のために・・・取っておいてください・・・」 芳佳「でも、このままじゃ俺さんが・・・」 俺「俺は・・・平気っス・・・前だって・・・ネウロイのビームくらっても・・・ちゃんと・・・生きてたんスから・・・」 坂本「・・・俺の言うとおりだ。お前の力は、この後のためにとっておけ。宮藤。」 芳佳「坂本さんまで何言ってるんですか!?俺さんが死んじゃうかもしれな・・・」 坂本「宮藤!!」 芳佳「!!」 ただ無言で宮藤に視線を送る坂本。威圧にも似たそれに、宮藤は押し黙ってしまった。 俺「・・・エイラ・・・・・」 不意に、俺がエイラの名を呼ぶ。 エイラ「なんダヨ・・・グスッ・・・」 俺「エイラまで・・・泣いてるんスか・・・?」 エイラ「な、泣いてない!」ゴシゴシ 俺「よかった・・・俺・・・ちょっと・・・休憩させてもらうっス・・・だから・・・サーニャを・・・守ってあげてください・・・」 エイラ「休憩って・・・ヤメロヨ・・・今から死ぬみたいじゃんカ・・・」 俺「だから・・・死なないっス・・・絶対に・・・もどります・・・もどって・・・サーニャも・・・エイラも・・・みんなを・・・守ります・・・だから、それまで・・・」 エイラ「言われなくても・・・私は絶対にサーニャを守る・・・」 俺「はは・・・そう・・・っスよね・・・」 エイラ「絶対・・・戻ってこいヨ・・・死んだら・・・許さないからナ・・・」 俺「はい・・・っス・・・おねがい・・・しま・・・」ガクッ サーニャ「俺・・・?俺・・・!俺!!」ユサユサ シャーリー「お、おい!早く止血しないと・・・」 ミーナ「救護班は!?どこ!?」 ペリーヌ「わたくしが参ります!!」タッタッタ エーリカが駆け寄り、俺の脈に指を当てる。 エーリカ「・・・大丈夫、失血のしすぎで気を失ったみたい・・・まだ生きてるよ。」 ゲルト「だがこのままでは・・・」 ルッキーニ「おれぇ・・・」ポロポロ 心配もつかの間、ペリーヌが要請した救護班が俺の元へ駆け寄る。失血による気絶だと救護隊員にエーリカは伝えた。 俺は直ちに担架に乗せられ、救護室へと運ばれていった。 サーニャ「俺・・・」 エイラ「・・・・・」 そんなことは意にも介さぬように、非情にも船は再び歩みを進める。決戦の場所、ネウロイの塔へと向かって。 本当の決戦は目前へと迫っていた。 続き→ペルソナ21 -ページ先頭へ
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LV 名前 物 火 氷 雷 風 光 闇 力 魔 耐 速 運 初期スキル 取得スキル 備考 9 グール 弱 無 弱 8 7 9 5 5 突撃ポイズマ スクカジャ(10)エイジング(11)毒串刺し(12)ラクンダ(13)毒成功率UP(14) 雪子姫の城熱気立つ大浴場 14 モコイ - 弱 無 - - - - 13 7 9 11 9 ソニックパンチヒステリービンタデカジャ バリアントダンス(15)激昂成功率UP(16)ソウルブレイク(18)衰弱成功率UP(19) 熱気立つ大浴場 24 マタドール - 弱 - - - - 反 17 10 17 25 11 マハムド電光石火デクンダ ムド成功率UP(26)暴れまくり(27)素早さの心得(29)光からの生還(30) 特出し劇場丸久座 36 サマエル 耐 無 弱 無 24 29 25 19 18 ムドオンマハタルンダポイズンミスト デクンダ(38)メギド(39)ムド成功率UP(40)光からの生還(41) ボイドクエスト 46 モト 無 弱 反 32 38 30 24 21 ムドオンデビルスマイルテンタラフー 光からの生還(48)亡者の嘆き(49)ムド成功率UP(50) 秘密結社改造ラボ 58 ホワイトライダー 無 弱 無 反 49 31 37 40 24 ムドオンハマオン アギダイン(60)真・氷結見切り(62)マハンマオン(63)マハムドオン(65)ハマ成功率UP(66)ムド成功率UP(67) 72 アリス - - - - - 弱 反 39 56 33 45 44 マハムドオンムド成功率UPデクンダ 光からの大生還(75)メギドラ(76)コンセントレイト(77)死んでくれる?(79) 特殊合体?継承不可スキル:死んでくれる? 78 マハカーラ 吸 反 無 58 38 57 49 39 アギダイン刹那五月雨撃チャージ コンセントレイト(80)マハラギダイン(82)マハムドオン(83)火炎ハイブースタ(84)ムド成功率UP(85) コミュ解禁ペルソナヒランヤスプレッド
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|消費アイテム|CD|貴重品|タロットカード|マテリアルカード|スキルカード|インセンスカード| LV32噂悪魔カシマレイコ(エリールート)の報酬でインセンスカード全種を入手できる。 地図作成の報酬でインセンスカードを入手できる。 時間城に登録することでインセンスカードを購入できるようになる。 名称 買値 売値 解説 入手方法 STRカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【力】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 蝸牛山裏道:エリア4 魔晶変化 LV12剛毅リュウメLV48女帝リノク 悪魔 LV40運命オルトロスLV84仮面党員カメーンブラック(EX) VITカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【体】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 魔晶変化 LV29剛毅クエレプレLV31月マイア・改 悪魔 LV78仮面党員カメーンレッド(EX) TECカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【技】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 スマイル平坂2F 魔晶変化 LV22死神ヘルLV54月天野 舞姫 悪魔 LV75仮面党員カメーンイエロー(EX) AGIカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【速】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 地下鉄工事現場:エリア1 悪魔 LV73仮面党員カメーングリーン(EX) LUCカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【運】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 魔晶変化 LV23法王ウマヤドノオウジ 悪魔 LV76仮面党員カメーンブルー(EX) ALLカード 125,000 62,500 召喚するペルソナの基本能力を全て5上昇させるカード 宝箱 珠閒瑠城7F-B 魔晶変化 LV16杖ホテイLV36塔ロキLV58太陽周防 辰之進LV88世界ショクインLV90刑死者アザゼル 上へ